読み物2016.03.11

[読み物] 5年目の3月11日を迎えて

IMG_8468 (1) 今日は東日本大震災から5年目の3月11日です。
 気仙沼は、強い日差しに冷たい風というお天気で、海は青く深く澄んでいます。船が通るときだけ白い波を小さく立てるこの穏やかな海が、5年前には黒い大きな津波となって街を襲ったなんて、ちょっと信じられないような気すらします。

気仙沼の人たちの、3月11日の過ごし方は、人それぞれです。いつもどおりに仕事をする人、家で静かに過ごす人、追悼式に出席する人、お墓参りに行く人、親しい人の家を訪ねる人。それぞれ特別な思いを持って過ごすこの日は、みんなが、お互いを気遣い、お互いをそっとしておいてあげるよう、心がけているように感じます。 抱く思いは人それぞれだと思いますが、それでも今年は、去年までよりも、落ち着いた心で3月11日を迎えた人が多いように思いました。

「時間でしか癒せない悲しみがある」ということを、この地にいると、ひしひしと感じます。「気仙沼ニッティングで働いているからみんな幸せ」なんていうことはもちろんなくて、一人ひとりが抱く喪失感ややるせなさ、悲しみというのは、とてつもなく深く、仕事ひとつでどうにかなるものでもありません。時間とともに心が癒えていくのを、ただただ待つしかないということも、あるのです。

一方で、「時間が経てば自然に復興するわけではない」ということもまた、私たちは学んでいます。待っているだけではなにも起こらず、日々具体的な一歩を重ねていくことでしか、人の暮らしは戻ってきません。あちこちでショベルカーやブルドーザーが動きまわる土がむき出しの風景を見ていると、復興への道のりの遠さや、自分たちにできることの小ささを感じ、くらっとすることもありますが、日々できることを重ねていくことでしか、道は拓けないのでしょう。

震災から6年目となる次の1年も、気仙沼ニッティングは、優しさと勇気を持って進んで行きたいと、あらためて思います。

東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。そして、その後の東北を生きる人たちに、たくさんのいいことがありますように。

2016年3月11日
株式会社気仙沼ニッティング
代表取締役社長 御手洗瑞子

カテゴリー

最近の投稿

アーカイブ