4th Model

 

「見つける人」は、夜の海や宇宙のような深い紺色に、
淡いグレーのこまやかな模様が浮かぶ、
静かで優しいたたずまいのセーターです。

カジュアルだけれど、落ち着いていて品がよく、
このセーターを着るのはどんな人だろうと
想像がふくらみます。

使っている毛糸は、スコットランド・シェットランド島にある、
Jamieson’sという会社のもの。
Jamieson’sの毛糸には、色ごとに名前がついています。
胴回りをつつむ濃紺は「Cosmos(宇宙)」という色、
胸元にこまやかに浮き上がる薄いグレーは「Pebble(小石)」という色です。
セーターを手に取ると、そのネーミングにもうなづいてしまう、
静けさと奥行きのある色あいです。

2色の細い毛糸で編まれたこの「見つける人」は、
薄手で、さくっと軽いです。
手編みだけど、薄手のセーター。
肌寒くなってきた秋口に、
冬、厚手のオーバーを着込んだその下に、
ちょうどよく軽やかに着られます。

このセーターに「見つける人」と名前をつけてくれたのは、
糸井重里さんです。
このセーターをひと目見て、
「あぁ、見事ですね」と唸った糸井さんが、
しばらく考えたのちにつけてくれた名前が「見つける人」でした。

糸井さんに、初めてこのセーターを見たときのことについて、伺いました。

―糸井さんはこのセーターを見たとき、
どんなことを思ったのでしょう。

ひとつの詩的跳躍のようにとらえてほしいんですけど、
「これを着ているような人に引っ張られたい」と思ったかな。

「あなたは成功したから、これを着る権利がありますよ」
というご褒美のようなセーターではなく、
「あなたにはそれがお似合いですよ」
という見た目の美しさを強調する服でもない。

このセーターを見て、
「こんなセーターを着ている人の後ろを、ついていきたいな」
と思ったんです。

リーダーシップを感じたというのかな。
昔ながらではない、これからのリーダー像。

―リーダーシップを感じる服、ですか。

はい。
スーツなら、「これはいいもの」というのがはっきりしていて、
リーダーの人がそれを着ていると、
場も収まるというものがあるんですよね。

でも、カジュアルでは、なかなかそういう服はない。
自分を着飾るための服ならたくさんあるけれど、
それを着ている人を、敬愛したくなる服って、
そんなにないんです。

このセーターを見たとき、
着ている人の、豊穣な人格が出てくるような服に思えた。

―このセーターを「見つける人」と
名づけられたのは、なぜでしょう。

なんていうのかなぁ。

イメージなんですけど、
このセーターを着ている人は、
次の時代の兆しを、
発見できるような人だと思ったんですよ。
今までの流れの延長線上にはない、
「新しい価値」を見つけることができる人。

荒々しい冒険家、ではないんです。

優しさと、先進性と、
頼りがいと、寛容さを
持っているような人。

そんなイメージが、湧きました。

―それは、すごい人ですね。

はい。でも、派手な人ってわけではなくて。

たとえば、
寒空のもとみんなで集まって遊んでいるときに、
最初に、焚き火をつけてくれるような人。
静かにもくもくと、木を集めて、火をおこす。

ふと気づくと焚き火がおきていて、
みんなそこで暖を取ったり、
焼き芋を焼いたりして、
楽しく過ごすことができる。

焚き火をつけたその人は、
そんな楽しそうなみんなの様子を
きっとにこにこ見ていることでしょう。

「見つける人」は、そんなイメージです。

謙虚さと、心配りと、
新しいものに向かっていく勇気がある。

このセーターを前にすると、

そんな人の姿が、浮かびます。

「見つける人」をデザインしてくれたのは、
編み物作家の三國万里子さんです。
これまでに気仙沼ニッティングのMM01 、エチュード
リズム-A をデザインしてくださり、
4つめの商品として、この「見つける人」を創ってくださいました。
そんな三國万里子さんに、「見つける人」について伺いました。

―どんな気持ちで、「見つける人」を編まれたのでしょうか。

街で着る「スキーセーター」を作ろうと思いました。
20世紀前半から北欧で、スポーツ用、あるいはスーベニアとして
たくさん作られたノルディックセーターには、
ハンドニットのいいところがつまっています。
素朴でシンプルな形、抽象、具象ともに豊富な柄のバリエーション。
もともと祝祭用の衣装として作られたことからくる、
きりっとした華やかさ。
今回は街で着ても映えるように、
すとんとしたスポーティーな形に細かい抽象柄を配しました。
紺や黒に白を配するのが一般的ですが、
代わりに薄いグレーを使ったことでコントラストが押さえられ、
シックに仕上がったと思っています。

―「見つける人」で気に入っているのはどんなところですか。

ヨークの小さい繰り返し柄です。
ずっと見ていても飽きない、
目にこころよい柄行きになったと思います。

―どんな人が、どんな風にこのセーターを着ていたら素敵でしょう。

ふっと思いついたのは、秋の高い空の下、
落ち葉をかきあつめて焼きいもする青年が着てくれているところ。
お休みの日に、いい時間を過ごす友としていただけたら幸いです。
服装が自由になる職業の方たちには、
もちろん仕事着としてもすてきだと思います。
落ち着きがあって、きりっとしてますから、

お仕事で人と会う時にも心強い味方になると思いますよ。

素材とサイズ

素材

「見つける人」は、
スコットランド・シェットランド島にある、
Jamieson’sという会社の毛糸を使っています。
ウール100%です。

Jamieson’sの毛糸は、
自然からそのまま取ってきたような繊細な色合いで、
色ごとに名前がついています。

「見つける人」の胴回りをつつむ濃紺は、
「Cosmos(宇宙)」という色。
よく見ると、深い紺色にほんの少し、
鮮やかな水色が少しだけまざっています。

胸元にこまやかに浮き上がる薄いグレーは、
「Pebble(小石)」という色です。

セーターを手に取ると、そのネーミングにもうなづいてしまう、
静けさと奥行きのある色あいです。

サイズ

細い毛糸を、細い編み針で編んでいるので、
「見つける人」は薄手です。
着心地も、ふわっと軽く、
重さは約360グラム。
厚手のコートや、ダウンジャケットの下にも
着やすいセーターです。

サイズは、男性の標準サイズ。
細身のデザインです。
女性がたぽっと着ても、かわいいです。

袖が細く、すっきりとしたシルエットです。

価格:
198,000円(税込・配送手数料別)
販売時期:
不定期(準備ができ次第販売いたします)
サイズ:
ワンサイズ(男性向け)
その他:
手編みであるため、サイズに多少の個体差があります。お好きなものを選んでお申込みいただけます。