こんにちは、気仙沼ニッティングの御手洗瑞子です。
おかげさまで、6月に会社になった気仙沼ニッティングは、
元気に楽しくやっております。

実は会社になってから、気仙沼ニッティングには、
大きな変化がありました。
新しい編み手さんが増えたのです。

6月に、気仙沼ニッティングに
新米の編み手さん15人が「見習い」として加わって、これまでずっと
商品を編めるようになるための練習をかさねてきました。

最初は、
「家族のセーターはたくさん編んできたけど…商品を編めるかなぁ」
と、半分心配そうに、半分楽しみそうに言っていた
新米の編み手さんたち。
MM01を編んでいる先輩の編み手さんたちに教わりながら、
商品を編む練習をしていました。
そして練習をかさねるごとに、
新米の編み手さんたちの表情は
どんどん真剣なものになっていきました。

社長の私が言うのもおかしいかもしれませんが、
気仙沼ニッティングの編み手さんたちの「プロ意識」というのは
すごいもんだと、この練習を見ながらあらためて思いました。
なんていうか、かっこいいんです。

 「お客さまは、一生ものだと思って申し込んでくださるのだからね。
  それを編ませていただくというのは、
とてもうれしいことだし、責任もあるの。
  ひと針ひと針、丁寧にね」

 「少しでも満足のいかないものを世に出してしまうと
  ずーっと心に引っかかってしまうものなの。
  たとえ、お客さまの気づかないような小さな間違えでも、
  自分の心に、残ってしまう。
  だから、気づいたら、ほどこうね」

 「頭がこんがらかってきてしまったら、今日はもう休んでゆっくり寝よう。
  明るくすっきりした気持ちで編んだ方が、
  いいものができるから」 

そんな風に、先輩の編み手さんが新米の編み手さんを教えていきます。

気仙沼ニッティングの商品を編むには、
熟練した技術が求められるのですが、
中でもとくに難しいのは「手加減」だと思います。

ほんの少し、糸の引きが強いだけで、
少しこわばったようなできあがりになってしまう。
逆にほんの少し、手がゆるいだけで、
なんだかすかすかした心もとない雰囲気になってしまう。

柄は陰影をともなってキリッと浮かび上がり、
かつ、着心地はふんわりやさしくやわらかい。
そんなできあがりにするための手加減が、とっても難しいのです。

新米の編み手さんたちは、
うまくいかないと、何時間かけて編んだものでも、
するするとほどいて編み直していました。
そしてだんだんと、手がちょうどよい加減を覚えていきます。

新米の編み手のみなさんは、気仙沼ニッティングに来る日を、
「一週間で一番楽しみにしている時間」と言って、
るんるんと事務所にいらしてくださいます。

でも同時に、
「大変だけどね、楽しいの」とか
「今週編んだところ、合格でるかなぁ」とも
言いながら、「がんばっている人の笑顔」をしています。
表情が、すがすがしい。
まるで、青春の部活動みたいです。

なかなか大変であったろう練習期間をへて、
先日、新米編み手さん15人全員が無事に合格しました。
今度から、新しい編み手さんたちも商品を編みます。

この編み手さんたちが編むのは、新しい商品です。
MM01に続く第2作目。
今度は、頭からすぽっとかぶるタイプのセーターです。
デザインは、MM01に続き、三國万里子さん。

MM01が「かっこよくいたい日に着る、晴れ着」だとすると、
次の作品は、「つい、いつも着ちゃう、ふだん着」かもしれません。
気づいたら「あらら、今日もこのセーターを手にとっちゃった」
となりそうな、使い勝手のいいセーター。

もうすぐここで発表しますので、どうぞお楽しみに。

私たちも、みなさまにお届けできる日を
とても楽しみにしています。

最後に、気仙沼ニッティングの編み手をご紹介させてください。
編み手さんは、気仙沼ニッティングの「誇り」です。



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