気仙沼ニッティング
アトリエシムラ

ツツジの山からいただく色―徳仙丈山のツツジで染めたニットガウンができました

気仙沼には、徳仙丈という山があります。
気仙沼の中心地から車で南西に40分ほどのところにある標高700メートルほどの山で、 5月半ばころになると、あたり一面、ヤマツツジが花を咲かせます。

ツツジの花が山全体を赤く染める光景は、圧巻です。その広さは東京ドーム10個分ともいわれ、日本でも有数のツツジの名所とされています。

このツツジの山は、かつては茅葺き屋根などに使うススキがたくさん生える、いわゆる「萱場(かやば)」だったそうです。茅葺き屋根の家も少なくなってきた、昭和50年代、気仙沼市議会議員でもあった佐々木梅吉さんという方が、仲間とともに、ヤマツツジの保全活動をはじめました。自ら山に入って、下草を刈ったり、ツツジを日当たりのいいところに植え替えたり。地道な努力を続けていき、やがて大きく美しいツツジの山に育ったのでした。

佐々木梅吉さんの詠んだ歌が、徳仙丈の石碑に刻まれています。

海原に
姿映すか山つつじ
われ無きあとも末の末まで

いまでは5月になると、漁に出ている漁師たちも、満開のツツジで赤く染まる徳仙丈山を、船から見ることができるのだと言います。

昨年の春、ツツジが咲く前に、徳仙丈の管理をする「徳仙丈のつつじを愛する会」さんから、剪定のために切り落とした枝を、分けていただきました。

その枝を、京都で染織をされている「アトリエシムラ」さんに煮出していただき、伝統的な草木染めの染色手法で毛糸を染めていただきました。その毛糸で、私たちは、「mariko」というニットガウンを編みました。

ヤマツツジから生まれた色は、草木の気配の隠れた、やわらかなベージュでした。それはあざやかな花というよりも、毎年いっとき大きく花を咲かせるために、日々力をたくわえるヤマツツジの根や幹を思わせる色です。

派手さはないですが、地に足のついた、品がよく美しいお色です。末長く、お召しいただけるお色かと思います。

2025年2月22日(土)から、気仙沼ニッティングの本店「メモリーズ」で、ヤマツツジで染めた「mariko」の展示をいたします。おつくりは、二着です。店頭にてご注文も承ります。遠方にお住まいの方で、ご注文をご希望される方は、メールまたは以下のカートからもご注文いただけます。

mariko ― ヤマツツジ
◯ 素材
ウール
◯ 染色法
草木染め(アトリエシムラ)
◯ 製法
手編み(気仙沼ニッティング)
◯ お届け
3月4日(火)以降
◯ 価格
264,000円(税込)
別途送料 1,100円(税込)がかかります。

気仙沼ニッティング 本店「メモリーズ」
住所 : 宮城県気仙沼市柏崎1−12
営業:毎週土曜日 11時〜17時
https://knitting.co.jp/shop/
お問い合わせ先 : info@knitting.co.jp